【今月の健康取材記】

ラジオの健康番組で伺った、専門家のとっておきの話!
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尺八奏者:中村明一さんに伺う、日本人の繊細な音感と呼吸法
JUGEMテーマ:健康

中村明一さんと、中村さんのスタジオ「オフィス・サウンド・ポット」にて♪中村明一さんと♪


 たまたま書店で手に取った本に、それこそ吸い寄せられるようにハマってしまいました。
「倍音 音・ことば・身体の文化誌」(春秋社) 著者:中村明一
 次に読まずにはいられなかったのが、
「「密息」で身体が変わる」(新潮選書) 著者:中村明一

中村明一さんの著書

 本当に知りたかったことが、豊かな解説と共にこの本の中に詰まっていました。
 実は、とても親しくなった韓国人タレントさんと、韓国ドラマの台詞を深く読み解いていくネットラジオの企画を練ってました。でも、何だか思ったほど内容が展開していかないのです。どうやら、文章や語尾の微妙な良い回しで繊細なニュアンスを伝えるというのは、とても日本人っぽい傾向のようなのです。台詞の「こんな言い回しが好き♪」、「こんな語り方が好き♪」というのは、とても日本人っぽい発想のようなのです。
 韓国では、敢えて言うなら、とても正しい文法で正確に言葉が使われ、正しく発音された台詞が美しいと言えるのかも知れない・・・と、考え込んでしまったタレントさんと私の間には、伝達ツールとしての言語へのアプローチに違いがあるのではと、漠然と考えるようになったのです。


 そんな私が夢中になったのは、「倍音 音・ことば・身体の文化誌」に書かれていた、日本語特有の倍音の聞き分けと使い分けです。さっそく、著者であり、尺八奏者の中村明一さんに、お話を伺ってまいりました!


 そもそも音は、基本となる周波数の音(基音)にその整数倍の周波数の音や整数分の一の周波数の音、何かしら不規則な振動による音などが加わって、一緒に鳴っているのだそうです。つまり、一つの高さの音に聞こえても、実際には様々な高さの音が一緒に鳴っているわけで、この「基音」以外の音を「倍音」と呼ぶのだそうです。また、どんな倍音がどのくらい鳴っているのかが、音質の違いとなってくるわけです。
 しかも、耳で聞くことができない高周波は、人間に全く関係の無い音どころか、皮膚から脳に伝わっているというのです♪ その高周波が、耳で聞くことのできる周波数(可聴域)の音と一緒に鳴っている場合、α派の増加・NK細胞の増加・免疫力の増加・ストレス対処活性の増加・アドレナリンの低下などの反応を引き起こすのですって!!
 つまり、基音と共に高周波の倍音が豊かに含まれた音を聞けば、身体にとても良い変化が起こってくるのです。高周波だけを聞いたのでは、こうした反応は期待できないようです。音って、本当に不思議!!
 
 さて、日本語の問題に入りますが、母音優勢の言語である日本語には、子音同士の組み合わせが無いので同音語が多くなる!しかも、日本語を第一母国語とする人々は、それらを区別するために倍音を調節して使い分け、更には聞き分けているというのです。
 実際に、死を悼む・師を敬う・詩を書く の「し」を、私たちは無意識の内に言い分け、聞き分けていると中村さんは仰います。確かに、微妙に「し」の音質が変化することに気が付きませんか?

 驚くべき日本語の特徴は、まだあります!
 西欧人は子音を含む音節を左脳で処理、つまり、言語と言語に似た音は左脳で反応するのだそうです。それ以外の西洋楽器音・機械音・感情音・ハミング・鳴き声・自然の音・雑音・持続母音・邦楽器音などは、全て右脳で処理するのです。
 これに対して、日本人(正しくは、6歳から9歳までを日本語環境で過ごした第一母国語が日本語の人)は、西洋楽器音・機械音・雑音が右脳で処理され、それ以外は全て左脳で反応しているのだそうです!!こうした反応の傾向は、同じく母音優勢のポリネシア語を使う民族にも見られるそうです。
 このことから、脳の左右の使われ方の違いは、音響の幅の大きい母音優勢の言語が、自然の音響と同じように処理されるからではないかとも書かれています。
 いずれにせよ、西欧人は、左脳で論理(言語)、右脳で感情・自然という観念を分離させている一方で、日本人は、これらが左脳で融合されているというのです。私が感じた、言葉へのアプローチの違いは、ここから来るのではないでしょうか!?


 こうした音・音響に対する感性や感覚が鋭くなった理由の一つには、日本特有の湿気を多く含んだ自然環境の中で、むやみに音が響かないからこそ相対的に倍音が聞こえやすくなっている状況下で生活してきたという点が上げられるようです。
 そしてもう一つ、日本人が「密息」と呼ばれる呼吸法を行っていたから、音に対する感覚が研ぎ澄まされていったのではないかと中村さんは仰います。
 密息は、息を吸う時も吐く時も身体が動きません。お腹も胸も、動かないのです。自分が動かないからこそ、音にはとても敏感になるのです。その上、とても沢山の酸素を瞬時に取り込むことができるのです。
 こうした優れた呼吸法を、私たち現代日本人は忘れてしまっています。残念ですね。


 尺八奏者である中村明一さんだからこそ、音にこだわり、環境にこだわり、文化を紐解いて解説してくださる日本人の感性・・・とても興味深いお話ばかりです。
 大事な高い周波数の倍音を思いっきりカットされたCDや、ダウンロードされた音楽ばかりを聴いていないで、生の楽器や自然の音に身を任せる機会を増やしていきたいなぁ〜と刺激された聖子でした♪

 中村さんがこだわりぬいて造られたスタジオ「オフィス・サウンド・ポット」にお邪魔して、番組収録させていただきました。無理にお時間を割いていただいて押しかけた私達に、美味しいケーキでもてなして下さった感激、忘れません♪ ご馳走様でしたっ(*^^)v


中村明一さんの演奏活動、ワークショップ、スタジオ等についてはこちら・・・
  http://www.kokoo.com/index.html

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