【今月の健康取材記】

ラジオの健康番組で伺った、専門家のとっておきの話!
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「乳がんと牛乳」から学ぶこと
 山梨医科大学名誉教授・佐藤章夫さんの発信する 「ヒトに、牛の子供が育つためのミルクは必要ない!」という数々の情報は、本当に緻密に解説されていて、私達にとってとても重大なメッセージが含まれています。

 昨年(2008年)の秋に、佐藤章夫さん翻訳の「乳がんと牛乳 がん細胞はなぜ消えたのか」という本が、径(こみち)書房から出版されました。気にならないはずも無く、取材のお願いをしたのですが、残念ながら、佐藤章夫さんはマスコミに登場することがお好きではないようで、出版社の方から丁寧なお断りのメッセージを頂きました。その中には、「酪農家の方々のことを考えると胸が痛みますが、牛乳の害というのは少しずつ浸透してきているようですね。」という表現がありました。

 このような経緯で、佐藤さんの出演は叶わなかったのですが、私が本の内容を紹介するという形で番組で取り上げさせていただきました。
 以下、ここでも本の内容をご紹介していきたいと思います。


 先ず、この本の著者は、ジェイン・プラント博士。インペリアル大学の応用地球科学の教授です。彼女は、1987年42歳の時に左乳房にエンドウ豆ほどの硬いしこりを見つけます。乳癌との戦いの始まりです。
 乳房切除手術、放射線治療、抗がん剤治療・・・典型的な治療を受け、科学者らしい探求とアプローチを続けますが、結果、プラント博士は、5年間で4回の転移に見舞われたのです。5つ目のガンは、リンパ節に飛び火、鎖骨上にゆで卵の半分くらいの硬い塊となって現れたといいます。

 絶望の淵に立たされながらも、探求を止めなかった彼女は、アジアの女性に乳癌が極めて少ないことに思い当たります。特に中国では乳がん患者は非常に少ない、少し前まで日本人の乳がん患者も少なかったのに今では急増している・・・何故??中国人は牛乳を飲まない(ただし、現在、政府が牛乳を奨励。日本人が辿ってきた道です。)、乳製品の摂取が増えた日本では乳がん患者も増えてきている・・・
 

 彼女が乳製品を完全に断った理由が、とても詳しく述べられています。その中に一つに、牛乳の中に含まれるある因子によって乳がんや前立腺がんのがん細胞の増殖が促されてしまうということがあります。又、牛乳やアイスクリームなどの乳製品だけでなく、乳牛肉の加工食品であるソーセージやハンバーガーなどの問題が大きいというのです。
 ちなみに、佐藤章夫さんの注釈によると、2008年4月に、厚生労働省の研究班が、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を取り過ぎると前立腺がんになるリスクが上がる可能性があるという調査結果を出したことが、新聞に記載されたようです。・・・物凄く回りくどい表現ですが・・・。

 その他、本の中には、抗がん剤治療中は、メロンなどで葉酸を補給すると、副作用が軽くなるとか、反対に、柑橘類やトマト、ほうれん草など、クエン酸やしゅう酸を多く含む食品を避けた方が、膀胱炎や関節炎の併発を防げるといったアドバイスも書かれています。

 乳製品を断ってから、あれ程しつこかった彼女の乳がんは一度も再発していないそうです。
 この本は、英国での初版が2000年。8年かかって16ヵ国目にやっと日本で出版されたようです。乳がんや前立腺がんの対策だけでなく、予防についての指標もいっぱいです。是非、読んでみてください。


 常に妊娠させられた乳牛から絞られる牛乳が特に害になるのであれば、高価でも良いから、本当に良質な乳製品を時々楽しむ至極の嗜好品とすれば、私達の直面している問題が少しは片付かないでしょうか?
 酪農家の方々のご苦労を思えば、確かに胸は痛みます。


 

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